フィンテックって??

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最近、新聞や雑誌で見かけることが増えてきた
「フィンテック(FinTech)」という言葉。

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当たり前のように解説抜きで使われることも増えてきたため、
未だによく意味がわかっていないという方も
多いのではないでしょうか?

 

日本銀行が金融政策決定会合を開催していたのと同じ2016年9月20~21日に、
「Fin Sum:フィンテック・サミット」と題するシンポジウムが、
金融庁と日本経済新聞社の共催で実施されました。

 

会議では、麻生太郎金融相が
「異端と見られるものから新しいものが生まれる」と指摘し、

 

 

金融庁の森信親長官も
「イノベーションを促し、金融・経済の発展に
つながるよう必要な環境整備を行う」

語ったと伝えられており、政府の本気度が伺えます。

 

 

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そこで、今回はフィンテックについて
考えてみたいと思います。

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・フィンテックとは?

 
これはファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の
2つを併せた造語で、日本語では金融ITや、金融テクノロジーと
略されることもあります。

 
最近では金融IT分野のベンチャー企業をフィンテックや
フィンテック企業と呼ぶこともあり、

フィンテックは金融テクノロジーそのものを指す場合もあれば、
その分野の企業のことを指す場合もあります。

 

・フィンテックの歴史

 

フィンテックという言葉はアメリカではすでに5~6年前から
さかんに使われています。

 

日本では2014年に日経新聞にフィンテックという言葉が
はじめて出来てきた程度なので、
まだ歴史としては2年程度です。

 

・代表的なフィンテック事例

 

フィンテックとして一番有名なのがモバイル決済です。

 


iPhoneやAndroid携帯などに小さな器具を取り付けるだけで
クレジットカード決済が出来る、Squareや楽天スマートペイなどが有名です。

 
従来はクレジットカード決済端末という大きな機械を購入し、
それを電話回線などにつなぐことでクレジットカード決済は
行われていましたが、

フィンテックを活用したモバイル決済では携帯電波で決済が出来るので、
最小限の器具のみでクレジットカード決済が出来るようになりました。

 
まさにモバイル決済は金融とITが融合したフィンテックの
考え方そのものだと言えます。

 

・その他のフィンテック



その他、携帯電話と電子マネーの融合であるおサイフケータイ、
そして銀行振り込みがネット経由で出来るネットバンクなども、フ
ィンテックの走りと言えます。

加えて世界を席巻しているビットコイン…なんていうのも、
ITがあったからこそ生まれた通貨でしょう。


(下記はアメリカにおける有力フィンテック企業の図)

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出典:Vnture Scanner

 

・アメリカでは、既にフィンテックの大きなムーブメントが起こっている
アメリカでは既に、金融業務の大半を
「フィンテック企業がカバーできる状態」にあります。

 

また、銀行の決済分野や企業向け融資、資産運用、住宅ローン分野における
大きな利益を(約20%〜35%)をフィンテック企業が
奪い去るとも言われています。

フィンテックの急激な成長は、銀行にとって「最大の脅威」となっています。

 

このため、
日本の各金融機関も「フィンテックベンチャーに関する有識者会議」を
頻繁に開催するようになりました。

 

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・フィンテックが世の中を便利にする

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このようにITを駆使することで金融をより身近なものに
しようということがフィンテックという考え方です。

 

LINEやFacebook経由でお金を送金できるようになったり、
指紋認証だけで店頭での支払いができるようになったりと、
今後もフィンテック分野の技術革新が行われていけば世の中が
グッと便利になっていくものではないでしょうか。

 

 

事実、国内のITグループ、金融企業各社が「フィンテックを導入しよう」と、
活発な動きを見せるようになりました。

 

特に(フィンテック事業で)大きな注目を集めるのが「金融業務」です。

 

現在は「クラウドファンディングサービス」や
ソーシャルレンディングの分野でのみ、
資金調達が認められています。

 

なぜなら、実際の融資や預金などの業務を本格導入するには、
銀行法の改正や規制緩和が必要になるからです。

 

アメリカでの成功例を見て、
国内各社は「法の整備や銀行法の改正」
を求めるなど、
活発な意見交換と議論を行っています。

 

世界的な「フィンテック革命」の流れは、
日本の金融制度を大きく変えて行くことでしょう。

 

また、フィンテックの分野は金融だけに留まりません。

 

新たな決済サービスの導入や、セキュリティサービスの向上、
クラウドを使った資産運用法など。

 

 

フィンテックは、私たちの生活を「より豊かで便利なもの」へと
アップデートしてくれるのです。

 

・メリット・デメリット

 

 

便利で革新的なフィンテックサービスにも、
それぞれメリットとデメリットが存在します。

 

フィンテック最大のメリットは、データを
有効活用し「必要な融資が受けられる」点です。

 

これまで、銀行から融資を受けるのは、ハードルの高い作業でした。

 

例えば、会社の事業計画書や過去の売り上げ履歴など、
膨大な資料を準備して、融資審査を受ける必要がありました。

 

フィンテックのデメリットは、
情報が第三者によって管理されることです。

 

フィンテックは情報を一括管理しているため、
クレジットカードの利用歴から、ショッピングの動向、
どのようなサービスを受け、どのような顧客を持っているのか、
すべてのデータがストックされます。

 

データが厳重に取り扱われれば問題はありませんが、
第三者からハッキングを受けた場合、
情報漏洩やデータ流出の被害が生じます。

 

もしも、銀行やクレジットカードの情報が悪用されれば、
莫大な損害を抱えることになるでしょう…。

 
フィンテックを安全に運営するには、
これまで以上に強固な「セキュリティ対策」が求められます。

 
しかし、フィンテックの場合は、各社の所有データをもとに
「より正確な審査」が実施できます。

 

融資実施までに、数日も待つ必要がなく、
その場で「融資可能かどうか」判断できるのです。

 

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・日本国内のFin Tech事例

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日本国内にも、フィンテックを利用した「決済サービス」が
普及していますが、
国内の決済サービスは今後「融資分野」にも、
サービスを拡大すると言われています。

 

例えばスクエア(日本)では、スマートフォンを使った
「ウォレットサービス」の導入が決まっており、

利用者の消費分析や所得の動向から、
独自の融資制度を展開することが予測されています。

 

また、国内の大手「楽天株式会社」でも、楽天銀行や楽天カードとの連携し、
独自の審査基準を設けるなど「融資の枠組みを広げるのでは」と、
業界内で大きな注目を集めています。

 

実際に、2015年11月12日には「Rakuten FinTech Fund」を設立し

国内外のフィンテック事業へ投資業務がスタートさせています。

 楽天株式会社
(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、
本日、新たに1億米ドルの「Rakuten FinTech Fund(ラクテン フィンテック ファンド)」の
運用を開始しましたので、お知らせいたします。

 

(中略)「Rakuten FinTech Fund」は、楽天がこれまで実施してきたFinTechへの
投資の成功事例(Currency Cloud、WePay、およびBitnetなど)に
基づきさらに発展させたもので、

主には北米と欧州を中心とするスタートアップ企業や
成長著しい企業に 投資を行います。

 

出典:楽天株式会社 2015年11月12日発行プレスリリースより

 

2016 年5月の時点で、楽天がフィンテック事業を行っているのは、
アメリカ、ドイツ、イギリスの三カ国に限定されています。

 

しかし、2016年に入ってからは 「国内のFinTechエキスパート」を
養成する取り組みを(楽天)グループ内でスタートし、
FinTech金融サービスの拡大を狙っていると言います。

 

各フィンテック関連サービスで得られたデータは「個人の信用情報」として、
融資やローン利用に役立てられています。

 

日本国内でも、今後このような「新しい審査基準」や
融資制度が、広く導入されることでしょう。

 

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・日本に必要とされてるフィンテックの役割

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金融とテクノロジーを融合させたものがフィンテックですが、
目的は、それぞれの国や社会の成り立ちによって
異なることには注意が必要です。

 
なぜなら、日本にはアメリカのように数千万人の移民や
貧困層がいるわけでもなく、
中国のように巨大な途上国社会が
あるわけでもありません。

 

 

また、イギリスのように伝統的な銀行が預金不足に陥り、
社会に資金を供給できないというわけでもないなど、
他国とは異なる状況にあります。

 
日本でフィンテックに期待される役割の1つは十数年来にわたって指摘され
続けてきた「貯蓄から投資へ」の流れをサポートすることです。

 
日本の銀行には多額の預金残高があるものの、
貸出機会は預金残高に見合うだけの規模がありません。

 

 

結果として、低金利貸出競争が長きにわたって続いています。

 

さらに、今年に入ってからのマイナス金利の導入により、
銀行の収益環境は一段と厳しいものになっています。

 

 

このため、銀行預金しか経験のない人が自然と投資を始められるような
仕組みやサービス、さらに国内の投資先だけでは十分でないのであれば、
グローバルな投資・融資を促すサービスをフィンテックの力によって
生み出していくことが求められていると考えられます。

 

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最後に・・・

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フィンテックの仕組みは、
資金面だけでなく、生産やサービスの効率、市場リサーチの力を
飛躍的に高めてくれます。

 

まさにフィンテックが社会に与える影響は無限大です。

 

すでに日本国内の大手銀行もフィンテックを用いた
金融商品の提案や、付加価値の高いサービスの提供に
本腰を入れ始めています。

 

銀行のサービスが向上することにより、
フィンテック企業との競争が促され、
より良い金融システムとなるのではないかと見られています。

 

世界的に始まった「フィンテック革命」の勢いは、
今後も衰える気配を見せません。